低用量ピルを使用する場合、様々な副作用が報告されています。一般的には、頭痛や吐き気、腹痛などの症状のほか体重の増加などがあります。これらは、一時的に起こる事が多く、低用量ピルに使用を続ける事で症状が落ち着く事が多くなっています。また、症状も軽い場合が多くなっています。
そんな副作用の症状に比べ、死亡例が挙げられているほど恐ろしい副作用が血栓症です。低用量ピルの副作用の中でも、最も恐ろしい血栓症。その為、この血栓症に対する副作用について、十分理解しておく事が大切です。
血栓症とは?
血栓症とは、血管内に出来た血の塊が血管に突然詰まってしまう症状を指します。その血管の場所が脳であれば脳梗塞になり、心臓ならば心筋梗塞と言った恐ろしい病気に直結していきます。
血栓症は、長時間同じ姿勢でいる事で起こる事が多いとも言われ、飛行機の狭い座席に長時間、同じ姿勢でいる事でも起こる事からエコノミークラス症候群として、肺の動脈を塞いでしまう、肺塞栓症としても有名な病気です。
低用量ピルと血栓症の関係
一般的に低用量ピルを使用する事で、3倍から6倍もの血栓が増えると言われています。それは、低用量ピルに含まれているエストロゲンに原因があると言われています。エストロゲンは、女性ホルモンに働きかける成分として、ピルには欠かす事ができない成分です。
その一方、エストロゲンには、肝臓由来の凝固因子を増加させる効果により、血の塊ができやすい状態になります。このことから何も服用していない人に比べ、多くの血栓ができやすい体になります。その結果、血栓症のリスクが高くなってしまいます。
血栓症と思われる症状とは、どのようなものなのか?
血栓症の症状は、主に手足に現れる事が多くなっています。例えば、急に片方の足に違和感が生じた場合、血栓症の疑いが高くなってきます。突然、片方の足が腫れてきた場合や痛みを感じる場合。また、手足のしびれなども血栓症の症状になっています。
そのほか胸にも痛みを感じる事が多く、胸の痛みや苦しさなどの症状が現れた場合は、すぐに病院に行くようにしましょう。その際、循環器内科に行く事をお勧めします。その上で、血液検査の一種であるD-ダイマーという装置で血栓量の数値を測定します。基準値以上の結果が出た場合、詳しい検査を行う手順になっています。
また脳梗塞などの疑いがある場合は、引き続きCTやMRI検査を受け、脳梗塞についての検査を行っていきます。どちらにしても、早期発見、早期治療が大切になってきます。
低用量ピルによる血栓症、その早期発見と予防
低用量ピルによる血栓症にならない為には、ピルの正しい処方そして、早期発見と予防が大切です。まず低用量ピルを使用する際は、必ず婦人科などを受診しましょう。医師の指導の下、服用するようにします。
血栓症を引き起こす人の中には、発生しやすい人がいると言われています。例えば、40歳以上の人や喫煙者。その他、太っている人などです。このような人に低用量ピルを処方する場合、最善の注意が必要だと言われており、医師によっては、処方ができないと言う診断結果を下す場合も考えられます。これは、血栓症のリスクがそれだけ高いと言う事になる為、その事を理解しましょう。そうなれば、低用量ピル以外の対処方法を見つける事が必要になってきます。
また、低用量ピルによる血栓症の発生は、低用量ピルの服用を始めて3か月以内に起こる可能性が高いとも言われています。その兆候としては、ふくらはぎのつっぱりや痛み、激しい頭痛や腹痛、舌のもつれなどが挙げられます。ピル服用後に少しでも、このような症状が現れた場合は、すぐに病院に行き、診察を受ける事が大切になります。
血栓症の場合、早期発見が第一の治療になります。脳梗塞や心筋梗塞などになる前に、少しでも気になる場合は診察を受ける事が大切なのです。
まとめ
以上のように低用量ピルの場合、血栓症と言う恐ろしい副作用が存在します。血栓症は、自覚症状がわかりやすいとも言われていて、低用量ピルを服用することで血栓症を引き起こす可能性が高くなると知っていれば、より手足への違和感などに敏感に察知する事ができると思います。
また自覚症状が無い場合でも定期的に病院に行き、血栓の量を確認しておく事も大切です。そして血栓量に変化が出た場合には、すぐ低用量ピルの服用を中断し、早めに治療を開始する事ができます。その結果、命にかかわるような病気から自分自身を守る事ができると言う事が言えるのです。
このように低用量ピルを服用する際は、必ず血栓症と言う副作用のリスクがあると言う事を知ったうえで医師の診察の元、正しい用途で服用する事が大切なのです。その上で、手足などへの違和感には、常に注意をするようにしましょう。